似ていて全く違う飲み物です!何が欲しいかで選ぼう!
栄養的な面から、牛乳と豆乳の違いと注意点をわかりやすくまとめます。
今まで、「牛乳を飲むのをやめて豆乳にしたんですが、いいですよね?」という質問を幾度となく受けました。その度に、お答えしていることです。
当たり前ですが、動物性の牛の乳と植物性の大豆を絞ったものなので、えらく違うものです。ビーガンの人だけでなく、豆乳を飲む人は大勢います。牛乳をやめて豆乳を飲む理由としてあげられるのは、以下のようなことではないでしょうか?
牛乳をやめて豆乳を飲む理由としては、、
・牛乳の脂肪は飽和脂肪酸が多いので、生活習慣病のリスクを考えて避けたい
・豆乳の中の成分(イソフラボンなど)が体に良いと聞いた
・牛乳を飲むとお腹が調子悪くなるようになった
これらは、製品によっても違うので、正しく理解した上での判断だったとは言えないことも多いのです。
食品成分表から抜粋した栄養価(すべて100g当たりの含有量)の違いを見てみてください。
エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) | カルシウム(㎎) | 鉄(㎎) | |
普通牛乳 | 61 | 3.3 | 3.8 | 4.7 | 110 | 0.02 |
低脂肪乳 | 42 | 3.8 | 1.0 | 5.1 | 130 | 0.1 |
無調整豆乳 | 44 | 3.6 | 2.0 | 3.3 | 15 | 1.2 |
調整豆乳 | 63 | 3.2 | 3.6 | 4.8 | 31 | 1.2 |
豆乳飲料・麦芽コーヒー | 59 | 2.2 | 2.2 | 8.0 | 20 | 0.3 |

牛乳といっても低脂肪と普通牛乳で違います。脂肪が少ない方が、エネルギーは少なく、たんぱく質やカルシウムが多いのが特徴です。
豆乳と言っても何を飲んでいるかでずいぶん違いますよね。調整か無調整かでも違いますね。
エネルギーはたんぱく質の量は、牛乳と豆乳でそれほど大きい違いはありません。
牛乳と豆乳で比較した時、注目すべき栄養成分の違いは以下の3つです。
<1>脂質の質の違い
<2>カルシウムの含有量の違い
<3>鉄やポリフェノールの違い
の3点です。

<1>の脂質の違いは量的にはあまり差がないですが、脂肪酸の組成が違います。牛乳に含まれるのは、ほとんどが飽和脂肪酸です。食事摂取基準で、エネルギーの7%未満の摂取量に減らすようにという目標量の設定がある飽和脂肪酸は、脂質異常症(悪玉コレステロールが多すぎるなど)や大腸がんの発症との関連がわかっており、減らしたい脂肪酸です。この点においては、断然、豆乳の方がおススメです!豆乳は植物性食品なので、脂質は不飽和脂肪酸が中心ですから。
牛乳を選ぶなら、せめて低脂肪乳などの脂肪の少ないタイプを選ぶことを2歳以降の人にはおススメしています。つまり、ほとんどの人が脂肪分の濃い牛乳は避けておいた方がいいわけです。普通牛乳でも200ml(コップ1杯程度)飲んだら、7.6gの脂質を摂ることになり、その中の大半が飽和脂肪酸なのですから、毎日のこととなれば無視できない量です。毎日、バターをどんどん食べるようにした方が良いと思っている人は、現在いないはずです。でも、牛乳の中の脂肪を固めたものがバターです。液体になっていて気づかないと見逃されやすいんです。脂質異常症は放置すれば、動脈硬化が進み、全身の血管が老化していきます。生活習慣病のリスクを下げる食生活は、子どものころからスタートすべきだということもわかっているので、大人だけ気を付ければいいということではありません。
<2>のカルシウムの違いを見ると、豆乳はどの種類を選んでもほとんどカルシウム源にはならないことがわかります。
カルシウムは日本人が不足しがちなミネラルです。骨粗鬆症のリスクを下げる(←過去の記事参照)だけでなく、成長期のお子さんの為にもしっかり摂りたいカルシウム源として優れているのは、牛乳です。ただし、商品によってはカルシウムを牛乳並みに添加して強化しているものがあります。100ml中のカルシウム量が100㎎程度ある豆乳飲料なら、牛乳の代わりに豆乳飲料を飲んでもカルシウム源になるので、よく見て買いましょう。カルシウムの少ない豆乳を牛乳の代用品にするのは、骨の健康のためにもおススメできません。カルシウム源の吸収率は、食品ごとに違うので、まとめた記事を参考にしてください。乳製品やカルシウム強化食品以外の食品からもカルシウムは摂取できます。ただ、食事摂取基準の推奨量の量を、乳製品や強化食品無しで摂取するのは不可能ではないですが、難しいです。濃い葉野菜、豆腐製品などを相当積極的に取り入れた食事を毎日摂るように心がける必要があります。
<3>の鉄の含有量は、大豆に多いので豆乳が断然、勝っていますね!牛乳は、カルシウムが多い一方、鉄が少ないのです。カルシウムの摂りすぎにより鉄の吸収率が下がるのもわかっているので、牛乳好きで大量に飲んでいるお子さんは鉄欠乏性貧血のリスク(←過去の記事参照)が上がります。成長期のお子さんで、特にスポーツをしていたり、女子(月経による鉄の損失がある人)の方は、鉄も不足しがちなミネラルなので要注意です。豆乳だけでなく、大豆製品は、鉄の含有量が多いことを覚えておいてほしいです。

そうなんです~💦
例えば、私がどうしているかと言うと、骨粗鬆症のリスクを優先して考えるべき年齢の女性なので、無脂肪牛乳で作ったヨーグルト(R-1ヨーグルトを1リットルに増やしている)と時々チーズを食べています。(牛乳は元々好きではないので飲むことはせず、時々料理に使うだけです)
大豆製品は、普段のおかずで毎日2回程度は食べるので、これ以上大豆製品を増やすメリットはないということで、豆乳は飲みません。イソフラボンは、女性のエストロゲンというホルモンに似た働きをするので、中高年の女性が摂取することで骨の健康を保つために役立つ可能性があります。だから、中高年の女性は特に大豆を摂取した方がいいですが、若い女性は自分の卵巣でじゅうぶん作っているので、追加してイソフラボンをどんどん取るメリットは特にありません。また、中高年であってもイソフラボンは、たくさん摂るほどよいということではありません。1日1回程度、大豆製品を摂取していればじゅうぶんです。納豆や豆腐や油揚げなど、何も食べなかった日は、豆乳飲料を飲むのは誰でも栄養的メリットがあると思います。サプリメントで摂るのは特に若い女性にはすすめません。イソフラボンについて詳しくリサーチ結果をまとめた記事を是非参考にしてください。また、乳がんと様々なリスクと大豆の関係についてもまとめているので、気になる人は是非参考にしてください。
大豆には、他にも生理活性物質があるので加齢に伴う疾病のリスクを下げる可能性があります。日本人が長年摂取してきた食品でもあり、好きな大豆製品を老若男女問わず楽しみたいですね!
牛乳の中の糖分である乳糖を分解する酵素が弱くなってしまった「乳糖不耐症」であるならば、お腹の健康のためにカルシウム添加の豆乳を牛乳の代わりに使うようにしているでしょう。私は、ヨーグルトやチーズの消化は問題ないのですが、乳糖の消化に問題のある人は、カルシウム強化豆乳に切り替えることをおススメします。
「牛乳にも豆乳にも、含まれるのは上記の栄養素だけではありません。いろいろ研究が進んでいます。また、今後いろいろ紹介したいと思います!
環境問題の中でも、特に地球温暖化の問題は、家畜の牛の数が世界中で増えたことも原因になっています。(←過去の記事参照)乳製品の量を少し減らして、カルシウム強化豆乳でヨーグルトを作るように少しずつ、私自身も切り替えようかと考えているところです。気候変動サミットでの温室効果ガスの削減(←わかりやすい動画も紹介したので参考に)のためには、個々人の生活スタイルも全面的に見直すことが必須です。政府に任せていればいい問題ではありません。みんな、地球の住民ですし、個人レベルの意識変換と行動変容は必須です。しかし、どう考えても、私程度の牛乳摂取量より、ここは雪国なので長い冬の灯油の暖房の方が温暖化を進めてしまっているのがとても気になっています。どうにかしたいのですが、マンションで個別に太陽光発電を取り入れるのは、ベランダの向きの問題もありまだ難しいです。引っ越さないと無理そうです。風力なら可能??などと、現在リサーチ中です。」

ヨーグルト作成中
我が家で、愛用しているヨーグルトメーカーですが、免疫力アップの効果が期待できるR-1を使ったヨーグルトを増殖させております。
R-1を1つ買ってきて、それを無脂肪牛乳1リットルに入れて1リットル分にしてから食べています。(牛乳が溢れないように少し使ってから混ぜます)この機械で、甘酒なども作れます。
そんなに高いものではないので、ヨーグルト好きの人なら、好きな菌でヨーグルトを作ってみてはいかがですか?何となく、出来上がると毎回嬉しいです。消毒したりという面倒はなく、牛乳パックのままにセットするタイプが便利です♪