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筋肉増量の食事の3つのポイントとは?プロテイン、サプリは必要?科学的根拠ありの理論

筋肉増量の食事

はつみ顔管理栄養士 はつみ

筋トレするなら、効率よく筋肉を増やしたい!と思いますよね。
そのために、食事がとても大事です。

でも、自己流の方法を紹介しているトレーナーさんも、特定の商品を売ろうとしているだけのウェブサイトもあるので要注意!!

最新の科学的根拠に基づいた最も効率よい筋肉増量の食事について、しっかり理解しておきましょう。
大量の鶏肉を食べてプロテインをどんどん飲むなんて古すぎる!

では、早速3つのポイントから見てきましょう!
①エネルギーバランスを正に
②たんぱく質を適量摂る
③糖質を適量摂る

詳しく見ていきましょう!

<1>エネルギーバランスを正にする

食事は筋肉を増やす期間は、多めに食べる必要があります。
消費エネルギーに対して、摂取エネルギーを多めにとるようにするのです。
もちろん、適切な強度と頻度で筋トレをしながらにしないと、太るだけになります。

何キロカロリーくらい、多めに食べるかが大事!
しかし、ひとことで言えず難しいのです。
なぜかと言うと、年齢、性別、体質、筋トレの強度や頻度により、筋肉が増える速度が違うからです。

そこで、このようにアドバイスしています。
・週に1回程度の頻度で体重だけでなく体脂肪率を計測!
・最初は、300kcal程度増食するとこからスタートして様子見!

もっときっちり計算してやってみたい人は以下のやり方で、増やすエネルギー量を設定します。

【増加カロリーの設定法】
増加カロリー=筋肉の材料用+筋トレによるエネルギー消費分

筋肉は、1kg=5000kcalに相当するエネルギーが詰まっています。
毎週、体重と体脂肪率を計測することによって、どの程度のスピードで筋肉が増えているのかが見えてきます。
体重に体脂肪率を掛け算すると、体脂肪のキロ数が出ます。体重から体脂肪のキロ数を引けば、除脂肪量がわかります。内臓が重く大きくなっていくことはあまりないので、除脂肪が増えた=筋肉が増えたと考えます。

例)
体重50kg 体脂肪率20%の人が、筋トレし始めた。
プロテインを飲んだりご飯を多めに食べて、次の週に体組成を計測!
⇒50.5kg、体脂肪率は同じ20%でした。

👉最初は、
50kg×20%=10kgが体脂肪キロ数
50-10=40kgが除脂肪のキロ数

👉筋トレ後に、
50.5×20%=10.1kgが体脂肪キロ数
50.5-10.1=40.4kgが除脂肪のキロ数
つまり、0.5キロ増えた内訳は体脂肪が0.1kg+筋肉が0.4kgだったということです。

筋肉増量中は少しは体脂肪も増えることは良しと考え、増えすぎた体脂肪はじゅうぶん筋肉が増えた後に減量すればよいと考えるアスリートが多いです。でも、一般人の場合、週に体脂肪0.1kgずつ増やしながら筋肉を増やすのは嫌だと思うことも多いですよね。だから、カロリー数の調整をするわけです。

例えば、この例の人の様に週に0.1kgの体脂肪が増えるのは嫌だと思った場合のケースで考えます。筋肉が増えるスピードは週に0.5kg程度が最速と考えられているので、このケースでは0.4kgだったので速い方ですね。

👉週に0.4kgの筋増量出来る人が何kcal増食する?

上記の体重50kgの人のケースで見ていきましょう。
① 筋肉材料分を算出
筋肉1kg分5000kcal×0.4kg=2000kcal/週

② 筋トレで消費する分を算出
筋トレのメッツ値(安静時に対して何倍の強度かを示す)は、大筋群では5~6メッツ。小さい筋肉のトレーニングでは3メッツ程度になります。

大筋群の筋トレを1時間、週に3回、小筋群の筋トレを0.5時間、週に5回やっていたとします。
【式】消費エネルギー=(1.05×)メッツ値×体重(kg)×時間(時)
で計算できます。
1.05は省略して概算することが多いです。

6メッツ×50kg×1時間×3回=900kcal
3メッツ×50kg×0.5時間×5回=375kcal
900+375=1275kcal/週

筋トレをしない日にも筋トレによりダメージを受けた筋肉が再合成されて大きくなっていきます。だから、休んでいる日も筋トレする日も同じく増食します。

2000+1275=3275kcal/週に増やしたいということに。
1日にすると、
3275÷7日=468kcal/日を増食する!

0.4㎏/週に筋肉が増える人の上記のケースでは、468kcalを追加摂取することで、余分な体脂肪がつかないで筋肉増量できる可能性があるということです。すべてタンパク質から摂るのではなく、糖質、脂質、たんぱく質を取り合わせて増食します。

ちょっと難しかったですよね。
だから、最初、300kcal程度の追加摂取で体組成を計測しながら調整してみるのも良い方法だと思います。

海外の文献で、アスリート用には400~500kcalの増食で0.23~0.45㎏/週の筋肉の増量ができるとあるのですが、日本人は平均的に体が小さいので、同じ内容の筋トレをしても消費エネルギーが少ないのです。体重が多いほど、同じ筋トレメニューをこなしても消費するエネルギーが多くなります。
だから、300kcalくらいから始めるのが妥当だと私は考えております。(参考資料)

<2>たんぱく質の量

摂り過ぎになっている筋肉増量中の人がたくさんいます。
摂りすぎた分は、エネルギー源として利用されるだけで、筋肉の材料には使われません。
その上、糖質や脂質と違い、エネルギーとして使った場合、窒素から生じた毒性のあるアンモニアを肝臓で無毒の尿素に変え、腎臓で尿を作って排泄するという面倒な仕事が生まれます。程度の問題ですが、長期間撮りすぎると腎臓への負担が無視できません。

体重1㎏あたり、1.2~2.0g/日
これでじゅうぶんです。
どんな論文を見ても、2g以上摂った方が良い!
という結果になった研究がありません。(参考資料)

特に3g以上摂ることには、まったく意味がありません。

例)
50㎏の人
1.2×50=60g
2.0×50=100g

60~100g/日のたんぱく質を摂取すればよいということです。
1食に20g以上摂るようにし、筋トレ直後に体重1㎏あたり約0.2gのたんぱく質を摂取するようにすると良いでしょう。

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タンパク質源は、アミノ酸スコア(質を示す)の高いものを中心に摂ると不可欠アミノ酸が摂取できます。
アミノ酸スコアが高いのは、肉、魚介、卵、大豆や大豆製品、乳製品などです。
筋肉を大きくするのに、植物性のタンパク質でも問題ないとされます。
しかし、若い成人の場合、動物性タンパク質の方がやや筋肉が増えやすいという結果が出たものがあります。(参考資料)
動物性、植物性に差がなかったとする結果のものもあります。(参考資料)
また、穀類と主菜となる上記の食材を一緒に食べれば、足りない不可欠アミノ酸を補えるので、全体としてたんぱく質の質が改善されます。
食事は主食+主菜+副菜とそろえて食べることをしていれば、アミノ酸スコアのことは忘れてしまっても大丈夫です。

不可欠アミノ酸の中のロイシンに特に筋肉を作る効果があるとされます。ロイシンを1日に700~3000㎎程度含まれるように食べると良いとされるので、食事やサプリメントで摂取するように心がけると良いでしょう。ロイシンはBCAAの一つなので、BCAAのサプリメントで同じ効果が得られます。筋トレ直前にサプリメントは摂取してください。(参考資料)

 

 

<3>糖質

体内の糖質であるグリコーゲンが不足した状態のままいると、筋肉が分解されやすくなります1回の筋トレで、24~40%のグリコーゲンが減ってしまうという統計もあります。グリコーゲンを再合成させるには、糖質摂取が必須です。(参考資料)
糖質を摂取すると、インスリンというホルモンが膵臓から出てブドウ糖を血中から筋肉などに取り込ませ、血糖値を下げます。それと同時に、筋肉合成を促す効果もインスリンにはあります。

これらの理由から、糖質はじゅうぶん摂る必要があるのです。
最低でも、体重1㎏あたり、5~6g/日を摂るようにしましょう。6~12g/日程度、運動量が多い人は摂ると良いでしょう(参考資料)
筋トレ直後に、体重1㎏あたり1~1.5g程度摂取し、その残りを食事で摂りましょう。

複合炭水化物が糖質源としては優れています。砂糖も糖質源ですが、運動直後のプロテインの中に入っている分くらいなら良いですが、砂糖は大量に取ってよいものではありません。普段の食事で穀類から摂るようにした方が、余計な体脂肪がつきにくく、体が酸化ストレスにさらされないで済むことがわかっています。

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<最後に>プロテイン、サプリメントについて

プロテインは、必ず必要というわけではありません。
上記の食事が取れればよいのです。ただ、運動直後に糖質とたんぱく質を摂るとなると、冷蔵庫が無い状態で持ち歩ける食材である必要が出てきます。そういう時にプロテインは粉で持ち歩けるので便利です。もし、冷蔵庫が使えるのなら、他のチョイスがいろいろあり得ます。

BCAAやロイシンのサプリメント
、その他のサプリメントも、使わなくても筋肉は増えます。そもそもサプリメントは、食事は栄養バランス良い素晴らしい状態で、カロリーバランスも適切で、休養も適切に取り、それでもまだ何か追加で効果的に筋肉を増やしたいというアスリート向けの商品です。

つまり、夜更かしして寝坊し、朝食も食べずに1日をスタートしたり、菓子パンやカップ麺でしょっちゅう食事を済ますようなことをしている人の場合、サプリメントの効果はそれほど感じられないでしょう。まずは、食事がちゃんとしていること、それでもプラス何か欲しい!という時のものだというのを忘れてはいけません。

筋肉増量のご飯は、食事を増やすので、食費も増えます。プロテインやサプリメントは高価なので、お金に余裕がない場合、食費もギリギリだという人は本当に買わなくて大丈夫だと知っておいてください。

筋肉増量の栄養ルールと、食費を節約しつつ、栄養効率のよい食材を紹介する本を出しています。
良かったら参考にしてみてください。

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