エッセイ

「希望の教室」ジェーン・グドール♪地球の未来を憂いている人に読んで欲しい良著💖生きる目的とは

希望の教室

この世界やわたしたちの未来に、まだ希望があると信じられますか?

近い将来に不安な人が多いですよね。
国民皆保険制度も社会保障もあるのに、日本人の多くが将来に不安。(不安遺伝子を持つ人が多いのだけが理由ではないですよね!)

世界情勢を見ても、環境問題を見ても、明るい未来が描けない。そういう閉塞感で、しゃがみこみたくなる時があるのは私だけではないはずです。

ジェーン・グドールは、チンパンジーの研究で有名な動物行動学者であり、国連平和大使です。

でも、この「希望の教室」の中で使われている言葉、「希望」の持つ意味を改めて考えると、またどうにか立ち上がって前に進もうという力が沸き起こりました。

希望を持つことは、楽観的になることではありません。
希望はもっと、実用的な動物が持って生まれるプログラムです。動物に備わっている生きるための能力なんだと本を読んでいるとわかってきます。

自分を自然主義者だいうジェーン・グドールの言葉は、深い。そして、素晴らしいです。

「希望、それは逆境にあっても進み続けることを可能にするもの。誰もが、叶うことを願うもの。でも、希望をかなえようと思ったら、覚悟と努力が必要だわね。」

参照:「希望の教室」海と月社

結局、希望は感情なのか?と聞くインタビュアーのダグラスに対して、
「希望は、人が生き抜いていくための才能、パワー、ツール、特性ね。」
とジェーンは答えています。

ダグラスは、1年半もの間、ジェーンと真剣に話をして濃い時間を過ごし、この本を仕上げたようです。最後は、パンデミックでパソコン越しのインタビューになっても、彼女の言葉に向き合う時間を作り、本にしてくれたこと、感謝です。

希望がなければ死んでしまう、ともジェーンは言っています。
行動すらできない不自由な状況に置かれた時にも、希望さえあれば人間は生きられる。そして、前を向いていけると言います。
動物である人間は、有難い能力を持っていると言えます。

汗をかく地球

 

私が環境問題に興味を持ってNGOに参加するようになった20代のころ、厳しい現実を知って愕然としました。温暖化、生物の多様性など大きな問題が山積みなのがこの地球なのだと知ったのです。非力な自分が情けなかったし、不安だった。だから、学び続けていくことにしたんです。

そして、うん十年が経った今、大して自分が役に立つ人間になっているとも思えず、ずっと足踏みしてただけで無駄に時間を重ねたのではないかという焦りが私の体を覆う時があります。そして、頭がおかしくなりそうになります。とても落ち込みます。

でも、多くの人に出会って話をする仕事をしているのですから、できることはあると40歳を過ぎたころに強く思いました。
そして、少しはできたこともある。と気づくのです。

このブログ「ベジ広間」note「ベジ広間の縁側」を始めたことも、その一環です。

自分ができることを探して考えて実行する。

当たり前のようですが、それが大事。

地球と動物

彼女の始めた「ルーツ&シュート」(詳しくはコチラ)という活動があります。ルーツは根っこ、シューツは新芽を意味します。

世界をよくするために若い人がプロジェクトを考えて実行していく活動です。日本でも参加した中学校や高校があり、子どもたちが地球の未来を変えるためにプロジェクトに取り組んでいます。
そして、未来は良い方向に変えることができると信じられるようになる成功体験をします。

大人が撒きちらした環境問題の種を子どもに解決してもらおうということではありません。子どもの方にも大きいメリットがあるようです。希望を持って取り組むことで、つらい状況で絶望して自殺を選ぶ子どもが減っていくことにもつながる例が紹介されています。

子どもは、考え方が柔軟で学んで変わっていくのが大人より早いですよね。子どもが変わると、親が周りの大人が影響を受けて変わっていく。とてもよい循環が生まれるようです。

かつて、アメリカでルーツ&シューツに参加した子どもが、今20代、30代になっているようです。
いろいろな分野で、それぞれ違う専門の仕事をして生きているのです。しかし、今はまだ完全に地球環境を守る方向に大転換出来ていいないかもしれない。
そう詰め寄るダグラスに、ジェーンは「今はまだね」と何度も発言しています。

地球温暖化(詳しくはコチラ)はフェイクだなどと言うトランプが、バイデン大統領に負けたのは若い人の票が入った結果でもあったとジェーンは語っています。トランプがまた大統領になることは無いでしょう。巨額を積み上げてキャンペーンをしても、それを阻止するだけの人がアメリカに育っていっているのです。

若者の草の根活動が、世界の大きすぎる環境問題を解決すると信じられない、希望を持ちきれない!と言うインタビュアーのダグラスとのやり取りが印象的です。

ダグラス:世界中の圧倒的な独裁主義や暴政が幅をきかせていることを考えると、それ(若者の活動)も、大海の一滴に過ぎないのではないですか?

ジェーン:でも、実際に大海を作っているのは無数の水滴よ。

思わず笑った。完敗だ。(ダグラス)

参照:「希望の教室」海と月社

まず、関心を持つ人が増えることが大事だと私も思います。

すべてはそこから始まるのですから。
教育がカギだと信じています。教育は学校だけでなく、子ども時代を過ごす家庭から始まり、ネットも良い教育の場になり得ます。ネットリテラシーを上げることは必須ですが。

なすべきことを今日もしよう!

希望を持って、明日も力の続く限りやろう、と心新たに思えた本でした。
腐らず焦らず粛々と、希望を持って残りの人生を生きていきたいと思えた本でした。

ジェーンさん、ありがとうございました。
ダグラスさんも、ありがとうございました。

多くの人に読んでいただけますように💖

 

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