大豆:たんぱく質源だけでない!特別な食品である理由
日本人に馴染みのある食材の大豆!
高野豆腐の照り焼きや、大豆ミートの肉みそなど美味しいレシピなど、試してみていただけたでしょうか?
健康効果が高いのは確かですが、リサーチ結果ではどういう結果になっているのでしょうか?
我が母校のロマリンダ大学の少し前の記事に、面白い大豆についてのクイズを見つけたので、一部抜粋しました。やってみてください!
〇か×で、答えてみてください!
最後に解答があります~(^^♪
Q1 大豆は男性の前立腺がんのリスクを下げる
Q2 大豆はフィチン酸の含有量が多く、ミネラルと結合してしまいミネラルの吸収率を下げる
Q3 大豆そのものは栄養価が高いが、大豆たんぱくのような大豆製品や大豆油の栄養価は全然高くない
Q4 高温で大豆を加工することで大豆のたんぱく質を変性してしまい、その質が下がる
Q5 大豆たんぱく質は、総コレステロール値やLDL‐コレステロール値(悪玉)を下げる
Q6 大豆のイソフラボンはエストロゲン受容体を活性化したり、抑制したりすることで、通常のエストロゲンの機能を損なうことがある
Q7 大豆は更年期障害の症状をや和らげることができる
Q8 大豆は、高齢の女性の骨密度低下を防ぐことができる
Q9 大豆は乳がんのリスクを下げることができる
Q10 大豆は、精子の数や質を低下させることがある
Q11 ラットの実験で、子宮内にいる段階での大豆イソフラボン暴露により、性的発達に有害な影響があった
Q12 フィチン酸の悪い影響が低下するので、納豆や味噌やテンペイなど発酵食品で摂る大豆製品が最も安全である
「おめでとうございます! 満点全問正解でした!
選んだ答えは全て正しいです!
なぜなら、〇を選んだ答えをサポートするリサーチ結果があるからです。
でも、×を選んだ人も、実は同じくサポートするリサーチ結果が見つかるんです!
『えええ~~~~!』と言う声が聞こえますが、この記事を読んだ時、私は笑ってしまいました。それが、真実だからです。良いポイントを突いた記事です。
だからこそ、健康業界にいるすべての専門家の人は、更なるリサーチの結果を追って知っていく必要があり、今、目の前にある事実は、今のベストにしか過ぎない!ということをいつでも忘れてはいけないわけです。そのうち、本当の答えに近づく日が来ます。その日まで、頭をやわらかくして、すべてのドアを開け放ったような状態で学び続けていきたいものですね!
科学的根拠に基づく指導をすることは、大事です。でもその一方で、それにとらわれ過ぎてはいけないのです。
ほんの少し前まで、電子顕微鏡が作られるまでは、ウイルスの存在すらわからなかったのが人間です。現在、ずいぶん科学が進んだとはいえ、100年後には笑っちゃうレベルでしょう。今、良くないと思われているいくつかのことも、ほんの数年後には健康対策の柱になっているなんてこともあるはず!
だから、『オープンマインドに考えることを忘れていけないよ!』ということをこの記事は思い出させてくれます(^^)/」(1)
今、私が大豆とイソフラボンについて聞かれたら、こう答えています!
「大豆は普通に食べるのは、老若男女問わずおススメできます。
大豆に多く含まれるイソフラボン(大豆製品100g中に10~84㎎含有)は、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用をするのは確かです。大豆製品でも発酵しているかどうかで、化学的な構造が少し違います。発酵している大豆製品のイソフラボンはアグリコンという形です。それ以外は、グルコシドです。アグリコンの方が、活性度が高いとされます。
また、腸内細菌の状態でイソフラボンの代謝に違いがあることもわかってきています。そのため、同じイソフラボンを摂取しても、同じように作用するというわけではありません。このことが、研究結果を真逆の結果に導いたりする原因にもなり得るわけです。」(2)
「その通りです。リサーチ結果を見ても、欧米では血液のイソフラボン濃度が低いことがわかっています。ヨーロッパのベジタリアンを調べてみても、我々アジア人の血中イソフラボン濃度よりはるかに低いといわかっています。ベジタリアンでなくても、日本人はイソフラボンを大豆から摂取していることがわかります。平均して1日に50㎎程度のイソフラボンを食べていることがわかっています。」(2)
「そこが難しいんです!
ホルモンが関係している病気のリスクを上げるかどうか?
そこが最も気になりますよね!
乳がんがエストロゲンによって育ってしまうガンの一つだということが知られるようになり、気になる人もいると思います。
1日100㎎程度のイソフラボン摂取(日本人平均の倍量)により、どうだったかという結果を見ると、健康な女性の乳がんリスク、甲状腺ホルモン系の病気に悪影響を与えることな無いだろうということでした。(2)
普通に私たちが毎日食べている程度の量なら、特に問題は無いと考えていいです(^^)/」
「たんぱく質や鉄分も多く栄養価が高い食品です。和食の中で重要な食品です。発酵食品も多くあるので、食べてください!
しかし、若い女性が大量に豆乳を飲み続けたり、サプリメントで大豆イソフラボンを取ったりすることは、私が栄養指導する時にはおススメしません。自前のエストロゲンで足りているところに、更にエストロゲンに似た働きをするイソフラボンを追加するメリットが無いだけでなく、マイナスもあり得るからです。
特に乳がんの病歴がある人、甲状腺機能障害がある人は、極端に大豆製品ばかりを主食のように食べるとか、サプリメントでイソフラボンを摂取するのは控えてください。
乳がんのリスクを上げるもの、下げるものについての記事を上げているので、是非そちらも参考にしてください。
ごくたまにいるんです。痩せたいので、「ご飯の代わりに豆腐を食べているんです!」なんて言う人が…💦
普通に食べる量以上に、変に多く食べて良いことは特にないということです。大豆を全然食べていない欧米人が大豆からイソフラボンを摂取したら良いかもしれない!と研究が進んだのですが、日本人はもう既に足りています!
更年期以降の女性が大豆製品を食べることについては、骨の健康を考える上でメリットがありそうなので、毎日食べることはおススメします。しかし、サプリメントで大量に摂ることは、やはり乳がんリスクのリサーチ結果でで気になるものがあるのですすめません。何でもほどほどがいいわけですね~。」(3)
「日本人が大豆を食べる量は、世界的に見て多い方です。これ以上増やすメリットがあるかどうかは、微妙なんです。多分、メリットは無いです。
特にサプリメントで摂る時にはマイナスになることがあり得るのは、イソフラボンに限った話ではありません。これが、私が今の時点で総合的に判断し、日本国内で栄養指導の時に話す事です!」
(1)Annual Newsletter. Adventist Health Study 2 Loma Linda University. Black Emphasis Issue 2018
(2)S. Huser, et al. Effects of isoflavones on breast tissue and the thyroid hormon2 system in humans: a comprehensive safety evaluation. Arch Toxicol. 2018;92(9)
(3)Xi Zheng, et al. Soy Isoflavones and Osteoporotic Bone Loss: A Review with an Emphasis on Modulation of Bone Remodeling. J Med Food 2016 Jan 1;19(1)