不足も過剰もダメ!ヨウ素という栄養素について!
昆布でだしを取ったり、それを佃煮にしたりと、優しいうま味で重宝する食品ですが、特にそのまま食べる際にはその摂取量は要注意です!
なぜなら、他の海藻とはけた違いにヨウ素の含有量が多いからです。
ヨウ素は、甲状腺ホルモンの原料となります。甲状腺ホルモンは、全身の細胞に働きかけ新陳代謝を促します。骨や神経などの働きにも関与し、子どもでは成長にとって必須のミネラルでもあります。交感神経の刺激もするので、多すぎても少なすぎても、全身に問題が起きます。
ヨウ素は、欠乏症になっても過剰症になっても甲状腺に問題が起きます。
もともと甲状腺に問題が潜んでいた人が昆布を長期間摂りすぎると、甲状腺に問題が起きるので、食事摂取基準の中では、過剰症のリスクが高まる値として耐容上限量が設定されています。うがい薬に含まれる成分として話題になったので覚えている方もあると思いますが、特にお子さんは体重も小さいので毎日うがい薬を使ったり、おやつとしておしゃぶり昆布を大量に食べ続けるなどは避けた方がいいです。厚生労働省も、欠乏より過剰の問題が日本では起きやすいので、注意喚起をしております。
ヨウ素の推奨量(ほとんどの人が満たされる量)は、成人で130㎍です。推定平均必要量(人口の約半分の人が満たされる量)は95㎍とされます。耐容上限量(過剰症のリスクが上がる量)は、3000㎍です。小学生のお子さんだと、年齢によって違うのですが、耐容上限量は550~900㎍です。表にまとめたので、参考にしてください。(食事摂取基準2020より抜粋)
推定平均必要量(㎍) | 推奨量(㎍) | 耐容上限量(㎍) | |
小学生 | 55~80 | 75~110 | 550~900 |
成人 | 95 | 130 | 3000 |
利尻昆布の含有量は、100g当たり23万㎍です!
佃煮にして食べる場合、100g当たり11000㎍になります。(10gなら1100㎍ですね)
だし用の昆布を乾物の状態で1g食べると、2300㎍のヨウ素を摂取することになるわけです。
甲状腺のトラブルが無い人は、だしの中に溶け込んだヨウ素の量まで制限する必要はありません。しかし、昆布そのものを食べる場合、毎日食べるのは避けておいた方が良いですね。お正月だけ、昆布巻きを食べるなどは問題ないです。でも毎日毎日食べるというのは、リスクがありそうです。
市販のおしゃぶり昆布は、大体1袋10g程度の商品が多いです。その中に23000㎍程度含まれているわけです。半分食べても、耐容上限量は軽く超えます!子どものおやつにしょっちゅう食べさせるというのは、お勧めしません。ダイエット目的で食べ続ける女性が時々いますが、それもやめてほしいです。
乾物の昆布の状態では、平均で1日に1g程度までにしておかないと、耐容上限量を超えてしまうわけです。
昆布茶などで、だしを取っている人もいると思います。干しシイタケなら摂りすぎても問題ないので、昆布が多すぎたかも⁉と思われた人は、干ししいたけやその他の乾物などでだしを取ることも是非考えてみてください!平均での話なので、家での昆布の1か月消費量などから、概算してみてチェックしてみてくださいね!
鍋には昆布は欠かせないですよね~。ベジ鍋のレシピ(ほうとう風味噌鍋)でも使っておりました。量と頻度の問題なので、我が家でも昆布はよく使っています。変に怖がらないで、昆布と楽しく上手に付き合ってくださいね~。
食品の成分を調べる辞書的なものが、「食品成分表」です。
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