ベジ栄養学

新型コロナ対策:亜鉛やn‐3系脂肪酸は感染対策になるのか?最新リサーチ結果は⁈パート②

注目のn‐3系脂肪酸は、現代の日本人が摂るべき栄養素です!

はつみ顔管理栄養士 はつみ

コロナと抗体

今回は、亜鉛とn‐3系脂肪酸についての報告です。
亜鉛については、亜鉛不足かどうかセルフチェックする記事(←クリック)をupしました。今回は特にコロナとの関連の話です。

コロナ感染対策の栄養素とサプリメントについての記事パート1の続きです!ビタミンCとDは、感染予防&重症化予防のために、不足ないように体で備えをしておいた方が良いということがわかりました。

少し前に私の家族が濃厚接触者と認定されて自宅待機することになってしまった時にも、免疫力を最大限上げるためにアドバイスした内容でもあります。

 

セルフチェックで亜鉛欠乏だとわかったらどうなるの?

亜鉛は、白血球のひとつである好中球の活性に重要な役割があります。そして、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)にも必要な栄養素の一つなので、免疫力に関係している大事なミネラルです。

なのに、不足がちな栄養素なので、注意が必要です。
亜鉛は、
・成長、
・細胞再生、
・味蕾(味を感じるところ)の生成にも関与
しています。

亜鉛の免疫調整や抗ウイルスの性質により、新型コロナ感染者に補給してみると、肺の気道の症状の改善があったという報告があります。亜鉛の欠乏により炎症に関わるサイトカインを増加させ肺の上皮組織の細胞バリア機能が悪くなることも指摘されています。(1)(2)

何回もやってくる感染増加の波…。特に感染リスクの高いエリアの人が、慢性的に亜鉛欠乏💦だというのは、避けた方が良いです。

ノンベジの人は、貝類や肉や魚に多いので、おかずを食べるようにしていれば不足しにくいはずなのですが、おにぎりだけとか、菓子パンだけとか、カップ麺だけとか、炭水化物中心に食べている人は確実に不足しています。

ベジタリアンの人にとって、ナッツやゴマなどの種実類、豆類は大事な亜鉛源です。好きなナッツを常備して、食べる習慣をつけましょう!多くの人は大豆は食べていると思うのですが、ナッツは常食している人としていない人がいますよね。

ミネラルは、他のミネラルとの摂取量のバランスが特に重要です。安易に一つの種類のミネラルを多く摂ることを長期間続けることはすすめられません。
👉なるべく、食事から亜鉛を摂るように努力していると、その他のミネラルバランスも同時に良くなることが多いです。是非、食事を見直してみて不足ないようにしてください。

n‐3系脂肪酸も感染に関与しているの?

はい。EPA、DHA、α‐リノレン酸といったn‐3系脂肪酸(←過去の記事参照)は、免疫と炎症に関与しています。インフルエンザウイルスが複製して増えることを抑えることが知られており、抗ウイルス効果があるのです。

細胞膜の損傷により酸化ストレスが高まり、炎症がひどくなることを抑える効果もn‐3系脂肪酸にはあります。どの程度の治療効果があるかなどは、まだ検証が必要な段階ですが、食事の上で不足が無いようにしておくことは大事だと考えられます。高容量のサプリメントを治療や予防に使うことには、まだデータ不足です。

ノンベジの人は、青魚が良い供給源です。ベジタリアンの人は、アマニ油、えごま油、チアシードなどが良い供給源になります。アマニ油などを使った常備菜を作るようにして忘れずに摂取しましょう。シソのにんにく醤油漬けのレシピ(←クリック)を紹介しましたが、ゴマ油とニンニクの香りでご飯が進むと大変好評です!

しそごま油漬け

刻んで混ぜるだけ!

他にどんな栄養素に気を付ければいい?

・ビタミンE(種実類や青魚に多い)、
・ビタミンA(体内でビタミンAになるβカロテンは緑黄色野菜に多い)、
・マグネシウム(種実類や緑色野菜に多い)
についても新型コロナ感染症との関係が研究されています。

どれも、しっかり足りるように摂ることで重症化を避ける可能性があります。今の段階では、まだ確固たるデータが不足ですが、バランス良い食事で微量栄養素の過不足が無いように努力することは、感染症対策を含めて健康管理には必須です!(3)

まだ、n‐3系脂肪酸源のアマニ油かえごま油が常備されていない人は、買い置きしましょう!冷蔵庫に保存してくださいね!

(1) Biaggio V.S., Pérez Chaca M.V., Valdéz S.R., Gómez N.N., Gimenez M.S. Alteration in the expression of inflammatory parameters as a result of oxidative stress produced by moderate zinc deficiency in rat lung. Exp. Lung Res. 2010;36(1)
(2)Skalny A.V., Rink L., Ajsuvakova O.P., Aschner M., Gritsenko V.A., Alekseenko S.I., Svistunov A.A., Petrakis D., Spandidos D.A., Aaseth J. Zinc and respiratory tract infections: perspectives for COVID‑19. Int. J. Mol. Med. 2020;46(1):17–26
(3)Gombart A.F., Pierre A., Maggini S. A review of micronutrients and the immune System–working in harmony to reduce the risk of infection. Nutrients. 2020;12(1):236

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