ダルイ?疲れやすい?ビタミンB1不足かも!
毎日食べるご飯に何を選ぶかは、全体としての食事の栄養価に大きい影響を与えます。毎日、人によっては3食ともご飯を食べるでしょう。日本人にとって主食のご飯は、おかずに選ぶどんな食材より登場率が高いからです!!
ビタミンが慢性的に不足すると、様々な不調に見舞われます。欠乏症の病気になるレベルまでいかなくとも、じわじわと健康度が下がります。
主食の米は、糖質源です。炭水化物の糖質を得るために重要な食材です。糖質の中でも砂糖などとは違って、もっと分子的に大きい多糖類のでんぷんを多く含みます。私たちの身体は、糖質を大事なエネルギー源として使って活動しています。特に、高強度の運動をする際や脳の活動のためにはとても重要です。そのでんぷんをエネルギーとして使える形に体内で変える時に、ビタミンB群が必要になります。ビタミンB1やB2などは特に必須です。
これらは、主菜となるおかずにも含まれますが、実は米の胚芽部分に多く含まれます。白米にしてしまうと、この胚芽部分は取れてしまいます。でんぷんをエネルギーに変える役割のビタミンを含む部分をわざわざ除いて食べているのが白米なんです。効率が悪いです。。。糠漬け(簡単な作り方はコチラを参照)を食べると、この糠が胚芽を含むので、ビタミン類を補給することができます。ご飯に糠漬け!素晴らしい取り合わせです♪
ビタミンB群が不足している人はとても多いです。不足しやすいビタミンとそうではないものがあるのですが、ビタミンB1は不足気味の人がとても多いです。
ビタミンB1が不足すると、まずだるく疲れやすくなります。倦怠感が取れない人は、もしかして、、、と思ってください。そして、イライラしやすくなったり、食欲が低下したりします。白米や白いパンや麺類をおかず少なく食べ続けると不足します。また、甘い物が好きでスイーツや甘い飲み物をよく飲んでいる人もとても不足しやすいです。お酒の量が多い人も不足しやすいです。
ひどく不足すると、「脚気(かっけ)」という欠乏症になります。江戸時代のドラマなどによく出てくる馬から落ちて歩けなくなる徳川家の人も苦しんだ病気です。心不全によってむくみや歩行障害、神経障害が出ます。日本では日本書紀の書かれたころからあったようで、日本における脚気の歴史はいろいろ読むと本当につらくなります。
ビタミンB2が不足すると、肌や粘膜を正常に保てなくなります。肌荒れするだけでなく、口内炎、口角炎、舌炎、脂漏性湿疹などになります。成長期の人は成長促進するためにも必要なビタミンです。成長期の子どもはビタミンB2を多く使っているので、口内炎や口角炎になりやすいですよね。寝不足など疲労したりお菓子を食べ過ぎたり、偏食がひどいと口角炎や口内炎になりやすいです。胚芽部分以外には、乳製品や卵にも多く含まれます。
ご飯100gで比較(食品成分表八訂参照)
エネルギー(kcal) | ビタミンB1(㎎) | ビタミンB2(㎎) | |
玄米 | 152 | 0.16 | 0.02 |
精白米 | 156 | 0.02 | 0.01 |
胚芽精米 | 159 | 0.08 | 0.01 |
発芽玄米 | 161 | 0.13 | 0.01 |
随分違うでしょう?
せめて、胚芽米を食べるようにしたいですね。ほんの少々値段が高いですが、その価値はあります。
玄米だと不消化で胃腸が弱い人だと難しいという人もいるでしょう。そういう場合は発芽玄米をやや水を多めにして炊いてみてください。白米に2~3割加える程度なら、大丈夫であることが多いはずです。減量中は玄米にしている人も多いはずです。GI値の低い玄米の方が、同じ量を食べたとしても食後血糖値の上昇が抑えられ、腹持ちが良いからです。
エネルギーやたんぱく質のなどはあまり差がありません。ビタミンB1は、神経伝達などにも関与しているので、エネルギー代謝だけをしているわけではありません。とても大事なビタミンなのに、不足している人が多いのは残念です。ビタミンB1の存在がわからなかった時代に多くの人を苦しめたビタミンB1欠乏症に、この時代にならないように気を付けたいですね。
玄米には、白米の6倍もの食物繊維も含まれます。日本人が不足していることがわかっている食物繊維!(100gの白米には0.5g、玄米には3.0g含有)
玄米は、大事な栄養素がいっぱいなんんですね~!
ちなみに黒米という真っ黒な米が売っているのは見たことがありますか?
ものすごく栄養価が高いんです!
同じ100gでビタミンB1は0.14㎎、ビタミンB2は0.04㎎含まれています!あの色は、抗酸化作用のあるアントシアニン系色素です。白い米に混ぜて炊いて、その後にすし飯にすると酸により赤くなります!市販の雑穀米の中にも入れてあることがあるので、是非トライしてみてください。