ビタミンDが注目されている!
★ビタミンDの働きとは
👉ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を助けるビタミンです。骨の健康の為に重要な脂溶性のビタミンです。
👉しかし、それだけではないのです!
ビタミンDが特にこの2年ほど、注目されたのは免疫力の向上効果があるためです。新型コロナに感染して重症化する人としない人の違いを比較研究した結果、血中のビタミンD濃度が低い人が重症化しやすいことがわかりました。
これは、食品から摂っていても、サプリメントでビタミンD3を摂取していても効果が期待できることがわかっています。サプリメントを摂取しておくと、入院率や死亡率が下がることがわかっているので、感染したらすぐにビタミンDを摂取することをおススメします。(1)(2)(3)
もちろん、このウィルスにだけビタミンDが必要だということではなく、免疫力に関与しているということなので、風邪が流行る時期などには特に不足しないように気を付けるといいですね!
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👉いくつかの研究でビタミンDが結腸直腸がんや前立腺がん、乳がんの予防効果があるのではないかと示唆されており、研究が進んでいます。ただ、大量にサプリメントで摂ることで逆にリスクを増やす可能性もあるとされ、まだ研究途中です。
👉最後に、先進国で大きな問題となっているうつ病にも関連があるとわかってきました。冬季になるとうつ病になる人がいることがわかっていたのですが、その理由がビタミンDの欠乏が冬に生じやすいということです。セロトニンレベルのコントロールに、ビタミンDが必要なのです。(4)
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★不足しやすい条件
ポイントは2つ!
👉食品選択と日光です!
ビタミンDは、ベジタリアンに限ったことでもないのですが、ベジタリアンだと特に冬に不足しやすい栄養素です!
ビタミンDは、食品から摂るだけでなく、肌で紫外線に当たることにより合成できます。なので、夏に外を15分程度歩いているなら、あまり不足することはないです。
そのため、日照時間が深く関係しているので、住んでいる場所によってリスクが違います。
那覇と茨城県のつくば市と札幌に住んでいる人の血中ビタミンD濃度を比較したリサーチがありました。札幌では、冬にはいくら外にいても必要な量のビタミンDを作ることはできないとわかりました。寒いので、肌を覆っているし、日照時間不足になる雪国は共通して、不足がちになると思ってください。北海道や北陸など日本海側の豪雪地帯は、冬は食品からビタミンDを摂らねばなりません。(5)
また、高齢になると肌で作る能力は低下します。
食品源は、限られた食品にしか入っていないので、不足している人が多い栄養素の1つなんです。脂っこい魚(イワシや鮭やサバなど)とキノコに多く含まれます。卵にも含まれます。
キノコを、冬には毎日せっせと食べてほしいです。美味しいレシピも公開しているので参考に!特に、紫外線に当てて干すと増えます。干しシイタケは特に多いわけですが、最近の干しシイタケは天日で干してません。なので、購入後、天気の良い日にヒダヒダを上にして日光に数時間あてて少しでも増やしてから食べましょう!キノコにはβ‐グルカンという食物繊維も含まれ、これも免疫力アップの効果があります。
キノコでにおススメなのは椎茸、舞茸、きくらげ、エリンギです!
①魚とキノコを食べない
②日光に当たらない(日焼け止め対策を完璧にするのも含む)
この2条件がそろうと、確実に不足するわけです。
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★欠乏症
・骨の病気
子どもの場合、くる病という足などの骨が曲がる病気になります。また、う歯にもなります。
大人の場合も骨の病気になります。骨粗鬆症や骨軟化症になってしまいます。
カルシウムの不足が無くても、ビタミンDの欠乏で、これらの骨の病気になります。
・多くの急性・慢性疾患のリスク上昇
自己免疫疾患、感染症、心疾患疾患、がん、2型糖尿病、神経障害、子癇前症など (6)
・うつ病、不安障害のリスク上昇
★含有量と摂取したい目安量
成人の1日に摂りたい目安量は、8.5μgです。(食事摂取基準2020より)
食品名 | ビタミンD(μg) |
干し椎茸 10g 2個 | 1.7 |
舞茸 100g | 4.9 |
きくらげ 乾燥 5g | 4.3 |
エリンギ 100g | 1.2 |
鮭 (しろさけ)100g | 32.0 |
イワシ 100g | 32.0 |
鶏卵 1個 50g | 1.9 |
でも、キノコは嫌いな人も多いですよね。
苦手な人はポタージュにしたら大丈夫かも⁉
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★まとめ
「魚を食べない、キノコも食べない、でもずっと雪国です!」という人!
または、年中日焼け止め対策バッチリやってます!!
そして魚やキノコは食べません!という人!
そういう場合は、サプリメントに頼ってみては?
雪国では自治体によっては、子どもに肝油ドロップ(ビタミンD源の昔ながらのサプリメント)を推奨しています。ただし、魚が原料なので、動物性食品です。
大人では骨軟化症、高齢者は骨粗鬆症で骨がどんどん弱くなります。
過剰症があり得るので、サプリメントの目安量はしっかり守ってくださいね!
参考文献:
(1)Pal R, et al.Vitamin D supplementation and clinical outcomes in COVID-19: a systematic review and meta-analysis J Endocrinol Invest. 2022
(2)Szarpak L, et al. A systematic review and meta-analysis of effect of vitamin D levels on the incidence of COVID-19 Cardiol J. 2021
(3)Li Y., Li Q., Zhang N., Liu Z. Sunlight and vitamin D in the prevention of coronavirus disease (COVID-19) infection and mortality in the United States. Res. Sq. 2020
(5)ビタミンD生成に必要な日光照射に伴う皮膚への有害性に関する推定評価 ビタミン 88(7), 349-357, 2014
(6)The vitamin D deficiency pandemic: Approaches for diagnosis, treatment and prevention. Rev Endocr Metab Disord. 2017.