ベジ栄養学

ケトン体ダイエットVS高糖質ヴィーガン食!低糖質のデメリットは?痩せるの?

低糖質ケトン体ダイエットと高糖質ヴィーガン食の比較

はつみ顔管理栄養士 はつみ

体重計にのる人

ケトン体ダイエットVS高糖質ヴィーガン食:どんなリサーチ?

面白い研究結果があったので、是非、減量中、または減量指導中の人に知っていただきたいと思います!以前、ベジタリアン食で痩せるのか?という記事を書きましたが、今回はケトジェニックと比較した結果の報告です。」

低糖質ダイエット=ケトン体ダイエットの理論は、以下の通りです。

「炭水化物(糖質)を食べるとインスリンがたくさん分泌される、だから体脂肪合成モードになって太る!インスリンが出過ぎていると、血糖値が下がりすぎてもっと食べないとという気分になりエネルギー摂取量が増えて太るという悪循環に。だから、低糖質ダイエットにすると痩せるはず!また、低脂肪高糖質食より、低糖質高脂肪ダイエットは、満腹感があるので楽。その上、血糖値が下がれば体脂肪からケトン体を作ってそれをエネルギーとして使うようになる。どんどん、痩せる!」

本当なんでしょうか??

1970年代に流行って廃れたロバート・アトキンズの推奨したアトキンズダイエットの時から同じ理論です。
似たような低糖質ダイエットは大なり小なり何回も流行っています。
流行るけど廃れるんです。
本当に良いものは残るのが世の常ですよね…?

dietーメジャー

こんなリサーチがありました。(1)
BMI25以上30未満の人(肥満域にあるが高度肥満ではない)を対象にし、1か月間、以下の2種類のダイエットを、2週間ずつ試してもらいました。食べる量の制限はありません。空腹を我慢したりする必要はなく、好きなだけ食べて良い環境に置かれます。治験に参加した人は糖尿病の既往がある人は除かれました。

①のケトン体ダイエットは、低糖質ダイエットで、でんぷんを含む野菜類などを含めて糖質源となるものは食べず、動物性食品をベースに食事が成り立っています。たんぱく質のエネルギー比率は②と同じ程度ですが、糖質を控えた分、高脂肪食です。

②のヴィーガン食は植物性食品をベースに食事が成り立っています。高糖質食低脂肪食です。糖質エネルギー比は70%強で脂質が10%強となっているので、まるで1960年ごろの日本人のようです。そのころ、平均して今より200kcal程度、多くエネルギー摂取していましたが、日本人の肥満率は低かったです!(日本人は1960年代に糖質エネルギー比は76.1%、脂質エネルギー比は10.6%でした:厚生労働省「国民栄養調査」による報告)

 

①ケトン体ダイエット
(動物性食品中心)
(高脂肪食)
糖質10%
脂質 75.8%
たんぱく質 14.2%
加工食品は最低限にする
高GL:85g/1000kcal
②ヴィーガン食
(植物性食品のみ)
(高糖質食)
糖質 75.2%
脂質10.3%
たんぱく質 14.5%
加工食品は最低限にする
低GL:6g/1000kcal

※GL(グリセミックロード):GI値(グリセミックインデックス)に1サービング中等の炭水化物量の要素を入れ込んだ値。この実験では、1000kcalあたりに含まれる炭水化物量で示している。

その結果は??ヤセた?

結果はどうだったの?

2つのことがわかりました!

<1>1日の平均エネルギー摂取量は、②の低脂肪のヴィーガン食の人の方が、2週間の期間の平均で689kcal/日少なくエネルギー摂取していた

<2>ケトン体ダイエットの人より、ヴィーガン食の人においての体脂肪減少の方が有意に多かった。また、ケトン体ダイエットの人は、体脂肪より体水分量の減少による体重減少が顕著だった。

 

え~?炭水化物を多く食べると、もっと食べたくなってエネルギー摂取が増えるんじゃなかったの?

そういう風に言われていましたが、結果は全くのでした。

エネルギー摂取が少なかったのは、高糖質食を食べていた人達だったのです。
1日に700kcal弱も少なく食べていたというのは、ものすごい差です。
我慢したのではなく、自然にそうなったというのが凄いです!
平均での数値も驚くのですが、参加者全員が少ないエネルギー摂取だったことが指摘されています。

血中のインスリンレベルは、ヴィーガン食(高糖質)を食べた時に多かったのが認められたのに、体重は減ったのです!
インスリンだけを肥満の改善のカギとして考えてもダメということが、これでわかります。
植物性食品は、重量あたりのカロリーが低く、お腹がいっぱいになりやすいということがこれでわかります。

味がまずかった💦とかの差はありませんでした。食事の満足度、空腹感などに差は無かったこともわかっています。

ヴィーガン食は試す価値がありそうね! なぜ、ケトン体ダイエットをやった間に体水分量が減ったの??

それは、体内のエネルギー貯蔵糖質であるグリコーゲンの減少によるものがあったようです。グリコーゲンは、水分と共に貯蔵されるので、糖質を食べていない間に貯蔵量が減り、その結果、水分量が減ったと考えられます。
低糖質ダイエットをやり始めると、すぐに体重が落ちて喜ぶ人が多いですが、実際は体脂肪の減少より、貯蔵糖質のグリコーゲンの減少によるものが大きいのです。
体脂肪には、水分は含まれません。体水分が減ったというのは、体内グリコーゲン量が減ったか、筋肉量(水分が多く含有している)が減ったかのどちらかです。

世界各国でヴィーガンになろうという人は増加中です。環境問題への意識も高まり、食生活の見直しをしながら自分の健康管理のために始める人が増えているんです。
でも、急に言われても出来ないと思う方は、週に1回だけ!たった1日だけやってみるというのはいかがですか?
週末にかけて食べ過ぎがちの人なら、月曜日だけヴィーガン、またはベジタリアン食を実施してみる!
それで、体重管理や健康管理が出来るだけでなく、環境にもプラスになるなんて、一石二鳥どころではないメリットがあります。
その考えが「ミートフリーマンデー」というポール・マッカトニーさんが中心となって推奨しているムーブメントです!

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まとめ♪低糖質のデメリットも!

体脂肪の減少を目的としたダイエット食に、ヴィーガン食を試してみることはおススメできます。バランスのよい菜食(以前紹介したので参考に)を、痩せる目的で取り入れることには意味があると言えそうです。

糖尿病の人や糖尿病予備軍の人が、高糖質ダイエットを試すのは、インスリン分泌量が多くなるのは事実なので、やめた方がいいでしょう。(糖質エネルギー比50%ちょっとくらいを目指すと良い)

最後に、ケトン食ダイエット(高脂肪で低糖質)の期間も一応、体重は減っていました。ケトン食ダイエットでまったく痩せないということでもないわけです。ただし、これはたった2週間のトライアルです。(これ以上の期間、治験者を拘束するのは難しいということもあります)
ただ、低糖質高脂肪ダイエットを長く続けると動脈硬化が進むなどの問題も心配になります。長期間続けることが不可能なダイエット法を生活習慣として取り入れることの是非は、よく考えるべきです。

体脂肪が必要以上に増えてしまった理由は、人によって違います。糖質の食べ過ぎで太った人ばかりではないですよね!
その理由こそが改善すべきポイント
です。それを忘れずに!

アメリカの影響を悪いところまで含めて大きく受けてきた日本人。
アメリカ人があんなに肥満してしまったのは、なぜなのでしょうか?
・車社会による運動不足
・外食やテイクアウトでの食事の増加
・1食分の量の増加
いろいろあります。
家庭の食事においては、加工食品が多すぎることは度々指摘されています。
元の食材がまったく何かわからなくなるほど加工されたものが食卓の中で締める割合が多くなるほど、太りやすいことも指摘されています。

先進国の中では、日本人の食事はまだマシな方というのもよく聞かれます。しかし、1960年と現在を比較すると、ものすごい変化です。糖質が減って脂質とたんぱく質が増えました。脂質が増えすぎている傾向があります。これ以上、増やすのはまずいレベルに達しています。
糖分を含む飲料も飲む量の多すぎる人がいますよね。見直す必要があるのは言うまでもありません。ヘルシーに見える飲食物にも落とし穴があるという話もお伝えしました。

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そして忘れてはいけないのは、健康あっての体重管理ですよね
ブルーゾーンという元気で長寿の人が多い地域が地球上に数か所あり、沖縄もそのうちの一か所です。ブルーゾーンの人の食事や習慣には共通点がいっぱいあります。その一つが、精製度の低い穀類をいっぱい食べるということ!ケトン体ダイエットの真逆です!!ブルーゾーンの人は、もちろん肥満率は低いです!その事実をよく考えてみてください。

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バランスがすべて!食べていけない食品というのがあるわけではありません。何でもほどほどに!
体重や体調に問題が生じたら、何かが良くなかったのです。理由を探しましょう。
管理栄養士に相談するのも一つの手です。

楽に痩せられるという話は、ほとんどウソです。
このサプリメントを摂取したら、いくら食べても痩せる!もウソです。
そんなサプリがあったら、食べても痩せていくのですから、死にます。

だまされないように、栄養学を学んでみるのもおススメします!
奥が深くて面白いんですよ~♬

(1)Kevin D Hall, et al. Effect of plant-based, low-fat diet versus an animal-based, ketogenic diet on ad libitum energy intake. Nat Med. 2021 Feb;27(2):344-353

 

 

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